ガス代(送金手数料)は誰が払う?割り勘で上乗せする考え方


送金画面に出る「ネットワーク手数料」って、送る側が払うの?

答えは 1 行で済みます。ただ、上乗せしたいときの決め方のほうが本題なんですよね。

上乗せって、相手に請求するってこと?ダメじゃないの?

ダメじゃないです。ただし「先に決めてあるとき」だけ。
立替を USDC や JPYC で返す段になって、送金ボタンの手前で手数料の表示が出て手が止まる。数円ならいいとして、Ethereum で数百円と出たら「これ、割り勘に入れていいの?」と迷います。
結論:送る側が払う。上乗せは「先に決めたときだけ」
ブロックチェーンで送るときのガス代(ネットワーク手数料)は送る側が払い、相手に持ってもらうには送る前の合意が要ります。
理由は 2 つあります。1 つめは仕組み。払う通貨はチェーンごとに違い、Ethereum なら ETH、Polygon なら POL。受け取る側は何も払いません。送金が失敗しても、使ったぶんのガス代は戻ってこない仕組みです(ethereum.org「Gas and fees」)。
2 つめはお金のルール。民法 485 条は、弁済の費用は別段の意思表示がなければ債務者の負担、と定めています(e-Gov 法令検索「民法」)。振込手数料を払う側が持つ慣行も、この条文の考え方が背景にあります。立替を返すのも弁済なので、何も決めていなければ返す側の負担、が民法の原則です(受け取る側の事情で費用が増えた分は例外、というただし書きもあります)。
逆に、送る前に 「ガス代は割り勘に入れるね」と言って OK が出ていれば、上乗せして構いません。送ったあとに「手数料ぶん足りない」と言うのは、相手からすると後出しに見えます。

「弁済の費用」って、ちょっと難しいかも。

「返すのにかかるお金は、返す人が持つ」くらいの理解で大丈夫です。
いくらかかるか。送り方で 0 円から数百円まで
上乗せするかどうかの前に、そもそもいくらなのか。送り方で桁が変わります。
| 送り方 | 手数料の目安 | 払うもの |
|---|---|---|
| SBI VC トレードから出庫(USDC・Ethereum 宛てのみ) | 無料 | なし(マイナー手数料は取引所が負担) |
| 自分のウォレットから Polygon・Solana・Base | 1 円未満〜数円 | POL・SOL・ETH |
| 自分のウォレットから Ethereum | 1 円未満〜数十円。混雑すると数百円 | ETH |
出典: SBI VC トレード サービス概要・Etherscan Gas Tracker(Ethereum の目安はガス価格から換算)
取引所から相手のアドレスへ直接出せば、USDC の出庫手数料は 0 円 です。上乗せの話が出るのは、自分のウォレットから送るときだけ。Polygon や Solana なら 1 円に届かないことも多く、上乗せを言い出すとかえって角が立つくらいです。
Ethereum は日によって違います。最近は空いている日が多く、USDC 1 回の送金は 1 円未満から数十円。混雑すると同じ送金が数百円に跳ねるので、送る直前にガストラッカーを見る癖をつけておくと安心です。ガス代用の通貨をウォレットに入れておく手順は、USDC で割り勘を精算する手順にまとめています。
上乗せしたいときの 3 つの決め方
ウォレットから送るしかないとき(相手のアドレスが Polygon しかない、取引所の口座を持っていない、など)の決め方は 3 つです。
- 送る側が持つ(原則)。数円〜数十円なら、これで終わりです。
- みんなで割る。清算を全部ステーブルコインでやる旅行なら、ガス代も旅行の経費として全員で割ります。送った人ごとに、それぞれのガス代を 1 件ずつ立替にします。
- 受け取る側が持つ。立て替えた人が「手数料を引いた額でいいよ」と先に言うパターンです。相手の厚意なので、こちらからは頼みません。
わたしの線引きは、ガス代が清算額の 1% を超えるなら「みんなで割る」を提案し、超えないなら黙って送る側が持つ、です。たとえば混雑した日に 1 万円の立替を Ethereum で返して手数料が 300 円なら 3% なので、提案する価値があります。逆に、数円の手数料を人数で割る計算は誰も喜びません。端数の扱いは割り勘の端数の決め方にも書きました。
そして、上乗せの交渉より先にやることがあります。チェーンを相談することです。相手が Ethereum しか受け取れないなら取引所から出庫、お互いウォレットなら Polygon や Base。手数料が 1 円を切れば、誰が持つかの話は消えます。

でも「みんなで割ろう」って言い出すの、ちょっとケチっぽくない?

1% を超えるなら、ケチじゃなくて経費の相談です。数円なら言いません。
WariSaku でガス代を割り勘に入れる
ここからは、わたしが作っている WariSaku での記録のしかたです。ガス代の専用欄はありません。ふつうの立替として登録すると、清算額に自動で乗ります。
- 1.
立替を追加
「立て替えた人」に自分を選び、合計金額にガス代の円換算を入れる(支払い通貨を USD にして、送った日のレートを取ってもよい)
- 2.
品目を書く
品目・メモに「ガス代(Ethereum・〇〇さんへの送金)」と書いておくと、あとで見返したときに揉めない
- 3.
対象を選ぶ
割り勘方法は「均等割り」。その送金に関係した人だけで割るなら、対象のメンバーを絞る
登録は送る前がいいです。送金画面に出る見込みの手数料で先に 1 件入れておけば、送ったあとで清算額が動いて、もう 1 回送るはめになりません。
グループ画面の「JPYCで清算」からウォレットを接続して送る場合も、考え方は同じです。送金は自分のウォレットから相手へ直接行われ、WariSaku は手数料を取らず、資金も預かりません。ガス代はそのチェーンの通貨で、送る人のウォレットから引かれます。チェーンは Polygon が既定で、手数料が気になるならこのままが安いです。

ガス代の欄が無いって、作ってる人が言っちゃうんだ。

立替 1 件で済むので、専用の欄は作っていません。要望が多ければ考えます。
よくある質問
Q. 送金に失敗してガス代だけ引かれました。誰が持ちますか?
送金に失敗したときのガス代は、操作した人の負担です。ネットワークの仕組みとして戻ってきません。アドレスやチェーンの選び間違いは送る側の責任なので、相手に請求する筋のものではないです。なお、成功した送金は取り消せないので、送る前のアドレス確認は送る側の仕事になります。
Q. 取引所の出金手数料も割り勘に入れてよいですか?
ガス代と同じ扱いになります。先に合意があれば入れてよく、なければ送る側の負担です。無料で出せる取引所もあるので、請求する前に「無料で出す方法がないか」を見ておくと話が早いですよ。ステーブルコイン以外の送金手段の手数料は、個人間送金の手数料を比べてみたに並べています。
おわりに、チェーンとガス代は一緒に決める
次に清算するときは、金額が出た時点で「どのチェーンで送るか」と「ガス代の扱い」を一緒に決めてしまうのがおすすめです。送る直前だと、相手は返事する間もありません。清算額が出たときがちょうどいいタイミングです。チェーンを安いほうに寄せられれば、ガス代の話は出る前に消えます。
本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の法的判断を行うものではありません。具体的な取り扱いに不安がある場合は、専門家にご相談ください。
価格・条件は 2026-10-23 時点の情報です。
画像中の USDC・JPYC のロゴは Circle Internet Group・JPYC株式会社 の商標で、それぞれを指すためにのみ使用しています。本記事は各社の公式コンテンツではなく、提携・後援関係はありません。 本記事は JPYC 株式会社による公式コンテンツではありません。 「JPYC」は JPYC 株式会社の提供するステーブルコインです。JPYC 及び JPYC ロゴは JPYC 株式会社の登録商標です。
免責事項
この記事は情報の提供が目的で、投資や特定のサービスの利用を勧めるものではありません。 紹介しているプロジェクトを触って何が起きても、筆者は責任を負えません。 最後は自分で調べて、自分で決めてください(DYOR)。
- 資金を失う・口座を止められる・トークンやポイントがもらえない・運営がいなくなる。どれも起こりえます。入れるのは無くなっても困らない額までにしてください
- ここで紹介する海外のサービスの多くは、日本の金融庁に登録された業者ではありません。筆者も登録業者ではなく、法律・税務の専門家でもありません
- エアドロップやポイントは必ずもらえるとは限らず、条件や規約は予告なく変わります。書いてある数字は執筆時点のものです
- 公式サイトはブックマークから開いてください。復元用の 12 語(シードフレーズ)は、どんな画面にも入力しないでください
- 暗号資産の損益の税務は、税務署か税理士に確認してください



